【短】もう…離さないで
涙が出てきた

こんなあたしも、やっぱり怖かったのかな


健人くんは、そんなあたしの手を引いて、近くにあるファーストフード店に座らせてくれた

『ねぇ、香奈ちゃん。今話せる?』

頷く

「良太郎はさ、香奈ちゃんがここに来てること知ってるの?」

首を振った
涙が溢れてくる



なんでだろう



『ん、そっか。でも一つ確認してもいいかな?』

俯いていた顔を上げる

健人くんはチャラそうな顔をしているように見えて、真剣な顔をしてた

『ここには、わからない誰かと寝るために来たんじゃないよね?』

頷いた
もちろん嘘、偽りはない

「、、、嘘じゃない」

『、、俺がどうこう言う問題じゃないかもしんないけどさ
恋人がいる人が一人で来る場所じゃないよね?』
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