旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
お見合い相手はスーパー税理士
「未彩ちゃん、お見合いしてみないか?」


三月の始め、勤め先の造園会社社長、永井努(ながい つとむ)さんは、出先から戻った私を自分の元へ呼び寄せ、ん?と首を傾けながら窺ってきた。


「は?お見合い?」


何を急に…と呆気に取られていると、自分の知り合いが結婚相手を探していると言う。


「はあ」


それがどうした、と思いつつ顔を見つめ、それでどうして私?と疑問をぶつけた。


「未彩ちゃん前から言ってるだろ。自分で思うような庭作りがしたいって」

「ええ」


そりゃまあ、それが私の夢だから。


「その知り合い、旧家の大きな家に一人で暮らしてるんだよな。それで仕事が忙しくて、庭の手入れどころじゃないと言ってるんだ」


その人と昨夜居酒屋で出会い、ちょっと愚痴ってたんだ…と言う社長を見つめながら、庭…?とちょっと違和感を覚えた。


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