旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「本当か!?」


永井さんは急に乗り気になり、コップ酒を握ったまま、「今のは冗談じゃねえよな」と再確認してくる。


「会って気に入ったら嫁さんにしてくれるか?」

「えっ?」

「いや、直ぐにと言わねえけど、ちょっと付き合ってやってくれよ」


マジで可愛い子なんだ、とまた同じ言葉を繰り返してる。
俺はそんなに真剣に勧めてくる彼の言葉に苦笑し、そこまで言われるのなら別にいいですよ…と返答した。


どうせ可愛いとは言ってもたかが知れてると思い、その場はそれでやり過ごした。
明日になれば、きっと彼も忘れているだろう…とそう安易に踏んでたんだが___。




「えっ!?あれ本気だったんですか!?」


かかってきた電話に、俺は素っ頓狂な声を発した。


「おうよ。先生言ったろ、未彩ちゃんと会ってみたい…って」


相手にももう了承を貰ったと言う彼は、いつだったら都合がいい?と予定を訊いてくる。


「えっ?ちょっと待って下さいよ」


あれ冗談だったんじゃないのか!?と焦る俺は、慌てて断りを言わなくては…とスマホを握り直した。


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