旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「脩也、本宅のこと、お願いしましたよ」
祖母は叔母の家族と同居すると決めた時、あの旧家の跡を俺に取って欲しい…と熱望した。
「俺は願われても困るよ」
まだ税理士事務所に入って数年で、これから経験を積まないといけない時期なのに…と断った。
「別に俺じゃなくてもいいんじゃない?父さんでも叔父さんでも、跡取りは他にいるだろ」
それこそ叔母さん家族と同居するなら、あの家で一緒に住めばいいんじゃないのか?と提案した。
「駄目です。これは亡くなったお祖父様からの遺言なんです」
「えっ!?」
「あの家を『脩也に任せる』と言って逝かれたんです。だから、他の者には継がせません」
「おいおい」
そんなの聞いてもないよ、と突っ撥ねようとしたが、祖母は真剣な表情で、「お願い」と更に詰め寄ってきて__。
「ただで貴方に継がせようとは思っていません。それなりにきちんと遺産も用意してありますし、あの家の管理も業者には頼んであります。…ただ、庭だけは脩也が管理をして欲しいの。自分の手で管理が出来なければ、貴方が見初めた方にそれをやって欲しい」
祖母は叔母の家族と同居すると決めた時、あの旧家の跡を俺に取って欲しい…と熱望した。
「俺は願われても困るよ」
まだ税理士事務所に入って数年で、これから経験を積まないといけない時期なのに…と断った。
「別に俺じゃなくてもいいんじゃない?父さんでも叔父さんでも、跡取りは他にいるだろ」
それこそ叔母さん家族と同居するなら、あの家で一緒に住めばいいんじゃないのか?と提案した。
「駄目です。これは亡くなったお祖父様からの遺言なんです」
「えっ!?」
「あの家を『脩也に任せる』と言って逝かれたんです。だから、他の者には継がせません」
「おいおい」
そんなの聞いてもないよ、と突っ撥ねようとしたが、祖母は真剣な表情で、「お願い」と更に詰め寄ってきて__。
「ただで貴方に継がせようとは思っていません。それなりにきちんと遺産も用意してありますし、あの家の管理も業者には頼んであります。…ただ、庭だけは脩也が管理をして欲しいの。自分の手で管理が出来なければ、貴方が見初めた方にそれをやって欲しい」