旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

「私、日に焼けると肌が真っ赤になって大変なのよ。克っちゃんも知ってるでしょ？前に火傷みたいに腫れ上がって、水ぶくれも出来て往生したこと」


二週間以上も皮膚科に通院して、やっと痕も残らずに綺麗に治った。
それが頭にあるから日焼けするのは絶対に嫌で、人並み以上に紫外線を遮って、日焼け対策を試みてるんだ。


「そんなに嫌だったら、辞めちまえばいいだろ、こんな仕事」


年がら年中日焼けし通しなんだから…と呆れる相手に、余計なお世話です、と言いきってやった。


「私は庭づくりがしたくてこの会社にいるの。要らない事言ってこないで」


無理矢理うちの庭づくりに協力させたのは悪かったけど…と呟けば、克っちゃんは目尻を吊り上げ、「何だそれ！」と怒ってくる。


「だって、無理矢理だったでしょ」


克っちゃんは別に手伝いたくもないのに、私が頼んで無理に手伝わせたのが気に入らないんでしょ、と言うと彼はタバコを放り投げ、それを足で踏み付けて擦り消した。



「あのな、俺は」

「大丈夫、ちゃんと日当は払うから」