旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
無理矢理手伝わせた分も上乗せします、と言うとまた目尻を上げ、だから…と応戦してこようとするから私も負けてはいられず。


「それに、前にも言ったけど、ちゃんと手伝ってくれたから何でも言うこと聞くし。何がいい？焼肉でも奢ろうか？」


別にステーキでもいいよ、と半ばヤケクソで言い放ち、そんなに目くじら立てなくてもいいでしょ、と胸の中では思っていた。


克っちゃんは私が言う言葉を唖然としたまま聞いてる。
だけど呆れ返ったように、「アホか」と呟き、そういうの別にしなくてもいい、と言いだしてくる。


「でも…」


何かしないとずっと不機嫌なままじゃない…と言いたくなってしまう。
相手が同僚だと遠慮がない分気持ちが爆発して、言わなくてもいいことも言い出しそうになると思い、口を閉ざした。


克っちゃんは口を閉じた私を見て少し微笑む。
気が強ぇな、といきなり笑い出して私の方へと近付いてきた。


「お前、今、何でも言うこと聞くと言ったよな」


そう言いながら、じゃあ一つ願い事してもいいか？と言いだす。

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