旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「……分かった。お願いします……」
頼んでるんだか頼まれてるのか、不明瞭な感覚で返事した。
克っちゃんはあまり納得いかない顔つきでいる私に、「ああ」と言い返し、足早に事務所の中へと走り去って行った。
「何あれ」
本当にもう気分屋で訳わかんない。
克っちゃんといい皆藤さんといい、男性は謎が多過ぎる!とボヤきながら、それでも今回だけはまあ助かったな…とホッとした。
正直、体力に自信がなくなってたから、克っちゃんの申し出は有難かった。
本当は克っちゃんではなく、皆藤さんに手伝って貰いたいところだけど、あの人は庭づくりに興味はないし、そもそも忙しくてそんな事に手を取らせてもいけない。
だけど、一人で天然石を掘り起こす作業は大変だったし、何れにしろ敷き換えるに辺り、石を切る道具も借りないとダメだと感じてたからタイミングとしては丁度いい。
(向こうから手伝うと言ってくれたんだから甘えよう。そして、お礼はちゃんしよう)
そんな気持ちでいたんだ。
だからまさか、あんな事になるなんて思いもしなかった___。