旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
私が庭を造り変えようとした訳は、好きなように庭づくりをしたいってだけじゃない。
確かに最初はその打算もあったけど、今はそれだけじゃない!


「私は皆藤さんと二人で庭を見る為に綺麗したかったの!綺麗にして喜んで欲しくて。それで一緒に月を眺めたくて」


この家で共に暮らしていくんだ…ということを実感したかった。
彼の祖父母のように、この縁側で月を見ながら色々と語り合いたかった。

自分達の未来について、この先の庭づくりについて、そして、彼が持ってる秘密も私に明かして欲しいと望んでた___。


「私…決して一人の楽しみの為に庭を作り変えてただけじゃない。それに、克っちゃんとは別に何もないし、ただ庭をリフォームするにあたって、どうしても彼の使うユンボが必要で。…ただ、手伝ってもらってただけ。他には何もないから!」


熱中症になって、一人で作業するのは少し不安だった。
石を掘り起こすのも重くてなかなか先に進まなかったし、石を切る道具もいずれは彼に借りる必要があると思ってたから。


「俺と見る為にリフォームしようと決めたのに、同僚に手伝って貰ってたのか?」


< 155 / 225 >

この作品をシェア

pagetop