旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
旦那様の隠し事
「さて、話を聞こうか」
二人だけの室内で皆藤さんはそう言って微笑み返した。
私はそんな彼の顔をまじまじと見つめて、どうしてこんなに堂々としてられるんだろうか…と困惑する。
私はこれから彼にいつも身に付けて帰ってくる香りの正体を確かめようとしてるのに、当の本人はまるで何の疑いもしないでのんびり構えてる。
(怪しい気持ちとか、特にないのかな)
他に女性がいる訳でもなく、何処かで偶然付けられてきたものなんだろうか。
(でも、とにかく確かめないと!)
そうしないとスッキリしない。そう思う私はごくっと喉を鳴らし、ぎゅっと掌を握って彼に訊いた。
「皆藤さん、私の他に」
いい人がいるの?とは流石にストレート過ぎて訊けないから。
「私に…隠し事とかしてない!?」
何処かへ寄って帰ってきてない?…とそんな思いも飲み込んだ。
「えっ!?」
どうして…と不思議そうに訊ねる彼に目線を送り続ける。
あの香りについてハッキリ訊かないと、いつまでも話が先に進まない。
「……時々、甘い香りを身に付けて帰ってくるでしょ。…あれ、何処かで付けて帰ってるの?」
二人だけの室内で皆藤さんはそう言って微笑み返した。
私はそんな彼の顔をまじまじと見つめて、どうしてこんなに堂々としてられるんだろうか…と困惑する。
私はこれから彼にいつも身に付けて帰ってくる香りの正体を確かめようとしてるのに、当の本人はまるで何の疑いもしないでのんびり構えてる。
(怪しい気持ちとか、特にないのかな)
他に女性がいる訳でもなく、何処かで偶然付けられてきたものなんだろうか。
(でも、とにかく確かめないと!)
そうしないとスッキリしない。そう思う私はごくっと喉を鳴らし、ぎゅっと掌を握って彼に訊いた。
「皆藤さん、私の他に」
いい人がいるの?とは流石にストレート過ぎて訊けないから。
「私に…隠し事とかしてない!?」
何処かへ寄って帰ってきてない?…とそんな思いも飲み込んだ。
「えっ!?」
どうして…と不思議そうに訊ねる彼に目線を送り続ける。
あの香りについてハッキリ訊かないと、いつまでも話が先に進まない。
「……時々、甘い香りを身に付けて帰ってくるでしょ。…あれ、何処かで付けて帰ってるの?」