旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
ぎゅっと手を握りしめて顔を伏せる。
これで彼に呆れられてお別れを言われても、もう私には断る権利とかない……。

全てを受け入れないと駄目だ。
例えもう、離れたくないと思ってても＿＿。



ウルッと涙が溢れそうになって初めて気づいた。

自分の中で皆藤さんの存在が大きくて、大事にしたい…と思い始めてたんだってこと。

彼と一緒に居たいと思ってたんだってこと。

一緒に庭を眺めて、沢山語り合いたいと思ってたんだってこと……。


（それがいつしか、私の夢になってたんだ……）


彼とは打算で結婚したけど、一緒に歩く人はこの人しかないと思ってた。

一緒に庭は作れなくても、時間を共にしたい。……そう思ってたんだ。



（私、皆藤さんが好きなのかも……）


自信が無くて、それでも彼と離れるのは嫌だと思ってる。

目の縁にもう涙が溢れそうなくらいに溜まってるのに、それでも皆藤さんは何も言ってくれなくて、ああもうやっぱり終わりだな…と諦めるしかなくなる。


ハァ…と短く息を吐くしかなくなる。
こんな感じで呆気なく終わりが来るなんて＿＿。



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