旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

だから、そんな気持ちを無視して、勝手に一人で決着を付けようとするのはやめて欲しい。


これでお終いなんてことを言わないで。

そんな気持ちで今の言葉を言ったんじゃない…と、どうか信じたい＿＿。



手を伸ばして、ぎゅっと相手の手を握る。

大きくて優しくて、あったかい手。
器用で料理も出来て、私を守ろうとしてくれる広い手の平。


私が知ってる男性の手とは全く違う。

私、この手にずっと守られてたい。

優しく触れられたい。

温もりに包まれて、ずっと手離したくない……。



「私、皆藤さんとずっと一緒に居たい。あの家で暮らして、一緒に庭を作っていきたい！」


それが今の大きな願い。
それをどうか聞き届けて欲しい。

終わりになんてしないで欲しい。
これから二人でまた始め直したい……。



ぎゅう…っと握りしめると彼の反対側の手が重なる。
それで手を離されたら元も子もなくなると思い、また力を込めて彼の手を握り直した。