旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
その目元が細くなっていくのを見て、私は胸が高鳴り過ぎて、こんな形で彼との関係がまた続いていくとは思わず、涙が溢れてこぼれ落ちていった……。



「…あり…がと……」


声を詰まらせると唇に触れる彼の体温。
それを受け止めて微笑みを浮かべると、ぎゅっと手を握られ、もう一度深いキスが戻ってくる。


今度は何処までも甘く、蕩けそうなキス。
いつかの様な乱暴な感じではなく、自分の想いを言葉の代わりにして届けて、舌を絡めて吸い取っていく。


そのうち指先は私の髪の毛に絡み、それでもまだ求められて、息も出来ずにそのキスに応じる。

そんなキスで満たされて、それでも私は、「もっと…」という顔つきをしてたんだろう。


苦笑されて、「続きは部屋で」とストップされた。
それで私は更に顔の温度が上がり、「もうっ!」と言いながら髪の毛を寄せて顔を隠した。


部屋へ戻りながら、彼と私は手を握り合う。

これからやっと初夜のやり直し。

そんな気持ちで、彼の隣を寄り添って歩いた___。



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