旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
そうなると、結局は夢が尻切れトンボになる。
それなら別に焦って叶えようとしなくても＿＿＿。


「ああ、そのことか」


ごめん、妙に気を回し過ぎた…と謝りだす彼。
その顔を見つめながら瞬きをすると。


「俺は早く子供を作って、あの庭で一緒に遊べるといいなと思ったからあんなことを言ったんだよ。

こう見えても俺、子供の頃は結構やんちゃでさ。
昆虫見つけては木に登ったり、紅葉した葉っぱを集めて焚き火をしたりして遊んだんだよな。

そういう自然と触れ合う機会を自分の子供にも与えたいと思ってあんなことを言った。
そりゃ俺は本家の長男だし、嫁が若い分、親戚連中からは口を揃えて『子供を産むんなら嫁さんが若いうちがいい』とは言われたよ。
…でも、そういうのは周りから指図されたり、焦ったからって出来るもんでもないだろ」


だから、自然に任せればいい、と肩の力が向けるようなことを言う。
それに…と付け加える脩也さんは、更にこういうことも付け足した。


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