旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
目には目を…じゃないけど
翌朝、普段通りに起きてきた皆藤さんは、昨日までと同じように、「おはよう」と挨拶した。


「おはようございます」


ブスっとしてる私の側へ来ると手を洗い、直ぐに朝食の手伝いを始める。


「昨日はごめん。急にクライアントから呼び出されて税理相談を受けたもんだから」


秋に税率が変わるのを機に、最近そういう相談がやたらと増えたんだよね…と言い訳をしだす。


「そうですか」


ふぅん…と興味もない返事した私は頭の中で、(流石はスーパー税理士、就業時間も関係なく呼び出しを食らうのね)と嫌味なことを考えた。


「今夜は多分早く帰れると思うんだけど」


言い訳がましく予定を話す皆藤さんだけど、私はもう全く期待もしておらず。


「そう…ですか」


どうでもいい感じで受け流し、さっさとご飯を食べてしまおうとテーブルにご飯と味噌汁を置いていく。



(あっ。そうだ)


昨夜思いついた月詠みの庭のことを話しておかなきゃ…と相手を振り返り、あの…と声をかけたまでは良かったんだけど。


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