旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「枯山水か」


一目見ただけで納得してくれたみたい。
流石は同業者、と感心してると指を差し、あれが邪魔なんだろう?と紅葉の樹を示す。


「枝が立ち上がってて景観が悪い」


大きくなればいいってもんじゃねぇな、と言う彼に頷き、そうなの、と力説した。


「あれと、他の樹も少し間引きたい」


出来る限りこのデザイン画に近付けたいと話せば、克っちゃんは二つ返事で「OK」と了解した。


「それじゃ先ずは、庭木の剪定からやるか」


話の早い彼は、移植は明日でいいだろう…と軍手をはめる。
その素早い行動と切り替えの早さに感心して、私もさっそく用意を始め、二人で手分けして枝の剪定作業に取り掛かった。



枝を落としながら、しみじみ同業者の良さを痛感。

これで相手が皆藤さんなら、どこまで庭木の手入れを手伝ってくれるだろうか…と算段し、多分全く当てにもはならないだろうと予想して溜息を吐いた。


(全く庭のこと分からないと言ってたし、多分興味もないんだよね)


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