旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

「でも、あると便利じゃん」


それに作業も早いし…と利便性を話すと、それでも克っちゃんはいい顔をせず、軍手を外しながら、「危ねぇからやめとけ」と言ってくる。


「え？危ない？」


そんな危なくないよ…と笑って受け流しても克っちゃんの表情は渋いままで、「こんなの女が扱わない方がいいんだ」とまた重ねて言う。



「ええっ、女！？」


何よ急に…と改めて聞いた言葉にウケてしまった。
これまで一度だって、女らしい扱いなんてされたこともないのに。


「どうしたの克っちゃん、何言ってんの！？」


そういうの言ったこともないじゃん、とお腹を抱えて笑う私に目を向け、彼は少しの間黙りこくってたんだけど＿＿。



「おいっ！いい加減にしろよ！」


もう笑うな！と顎を掴まれ、グッと伸びきる喉に痛みを覚えた。



「克っひゃん…？」


一瞬焦った私が変な発音で名前を呼ぶと、見下ろしてる克っちゃんは顔を歪ませ、パッと手を離して後ろを向いた。



「いいかお前、もういい加減自覚しろよ。人妻になったんだろ！？」