旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
食材も無駄にしたくないし…と、言い訳しながら口へ運ぶ。
こんな感じで食べ物に負けるなんて意志薄弱だと思いながらも、その甘ったるさが彼自身のような気もして、気持ちが何となく和んでしまった。
『ご馳走様でした』
空になった皿の写真を添付してメッセージを送ると程なくして既読が付き、彼からこんな文字が返ってきた。
『今日こそはきっと早く帰る。夕飯は家で食べるから』
毎晩ごめん…と頭を項垂れる犬のスタンプ付き。
スーパー税理士さんでもこんなスタンプ使うんだと思うと、さっきまでの怒りは何処かへ行き、つい吹き出してしまった。
「仕様がないな、今回だけは許すか」
でも、今回だけよ、と囁きながら皿を洗う。
彼の顔は昨日の朝から一度も見なかったけど、その甘さと美味しさにつられて、少しだけ心が潤った。
職場に着いた私が、フンフン…と鼻歌交じりで現場に向かう準備をしてたからだろう。
桂さんはそっと近寄ってきて、ツンと頬に指を当てると、「ご機嫌じゃない?」とニヤつき、「何かいい事でもあったの?」と耳をそばだててくる。
「ええ、まあちょっと」
こんな感じで食べ物に負けるなんて意志薄弱だと思いながらも、その甘ったるさが彼自身のような気もして、気持ちが何となく和んでしまった。
『ご馳走様でした』
空になった皿の写真を添付してメッセージを送ると程なくして既読が付き、彼からこんな文字が返ってきた。
『今日こそはきっと早く帰る。夕飯は家で食べるから』
毎晩ごめん…と頭を項垂れる犬のスタンプ付き。
スーパー税理士さんでもこんなスタンプ使うんだと思うと、さっきまでの怒りは何処かへ行き、つい吹き出してしまった。
「仕様がないな、今回だけは許すか」
でも、今回だけよ、と囁きながら皿を洗う。
彼の顔は昨日の朝から一度も見なかったけど、その甘さと美味しさにつられて、少しだけ心が潤った。
職場に着いた私が、フンフン…と鼻歌交じりで現場に向かう準備をしてたからだろう。
桂さんはそっと近寄ってきて、ツンと頬に指を当てると、「ご機嫌じゃない?」とニヤつき、「何かいい事でもあったの?」と耳をそばだててくる。
「ええ、まあちょっと」