旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
フフフ…と意味もなく笑うと、耳年増な彼女は私の腕を引っ張り、給湯室へと連行した。



「……で?何があったの?」


昨夜はまた燃えた?と思考をそっちに向かわせたらしく、私はううん…と首を横に振る。


「残念ながら違います。ちょっと朝にいい事があっただけです」


単純に旦那様が作った朝食を食べただけ。
他には何のいい事もないし、ただ心が少し潤っただけのことだ。


「またまた〜。本当は朝からイチャついたんでしょう」


そうに違いない、と桂さんは勝手に決めつけてる。
でも、私達はまだ初夜さえも済ませてないというのに。


「もうっ、好きに想像して下さい!」


付き合ってられない、と言いながら現場へ向かい始める。

桂さんは、「いいわね。新婚さんは…」とニヤニヤしながら見送ってたが、そんな様子を私の知らないところで克っちゃんがじっと睨んでたみたいで___。


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