旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。
「何?」


どうしてそんな機嫌悪そうになるのかと謎で顔を見た。
彼は私の目線に気づくとプイと外を向き、「見んな」と言いながら唇を尖らせる。


「ええっ!?」


何よ、その態度…と素っ気なさに呆れ、まあいいけど…と前を向く。

今、私達が乗ってるトラックには、ホームセンターで購入した玉砂利と小型のユンボが乗せてある。
家に着いたらそのままトラックで敷地内に入ってもらい、庭の近くでユンボを下ろし、砂利も下ろす予定なんだけど__。


(その方がキャタピラー痕が庭に付かなくて済むから)


車輪痕が庭に付いてしまうと、皆藤さんに内緒でリフォームしてる意味がなくなる。
そう思う私は克っちゃんを振り返り、お願いします…と頭を下げた。


「分かってるよ」


ブスッとしたまま呟く克っちゃんだけど、まだ機嫌が悪そうでやな感じ。


(こりゃ相当、日当弾まないとダメだな)


仕様がないかと観念する私は、庭へ着くとトラックを誘導し、月詠みの庭の近くでユンボを下ろし、昨日切った枝を端っこへ寄せ集めてもらい、玉砂利も下ろした。


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