旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

実際は違うのかな、と思うと落ち込んでくる。

今夜、あの香りについて話を聞くと、この関係も終わりになってしまうのかな、と思うと気落ちもして、もう聞くのはやめようかな…と、また考えを変えながらテラスへと着いた。




「早速なんだけどさ」


プシュッ！とプルタブを押し込む皆藤さんを横目で見つめ、ん？と首を傾げ、「何ですか？」と問いながらビールを一口、口に含んだ。



「さっきの同僚とは仲がいいの？」


ビールを口に運びながらムッとした感じで問われ、それを聞いた私は含んでたビールを吐きだしそうになり、ゴクンと急に喉へ通したせいで噎せてしまい、ゲホゲホ…と咳込んで、ドンドンと胸を叩いて落ち着かせた。



「…な、何、急に…」


あれは単なる同僚で、別に仲がいいとか考えたこともない相手。
それをまさか皆藤さんが気にしてるとは思わず、「どうしてそんなこと聞くんですか！？」と仰天した。


「あの人は単なる仕事仲間です。そりゃいろいろと仕事ではお世話になってるけど、それだけの相手」