旦那サマとは打算結婚のはずでしたが。

ちっとも汗をかかなくて、少し変だなと感じてはいた。
日差しは五月にしては眩しいくらいの陽気なのに、ちっとも暑くないし、おかしいなとは思ってたんだ。


それでも汗をかかないくらいの気温ならまあ平気だろうと思い、黙々と作業を進める。
そうするうちにいずれは日が陰ってくると安易に考え、水分補給も怠り庭づくりに没頭した。



ふぅ…と息を吐いて立ち上がったのは何時頃だったのか。

家に帰り着いたのが午後二時くらいだったから、多分四時は確実に過ぎてるだろうと思ったんだけど＿＿。



「あれ？」


なんだかフラフラする。それに、何？この頭痛……


「痛っ！」


ズキン、と後頭部に痛みが走った。
その後、まるでハンマーに殴られてるみたいな鈍痛がした。



「痛っ…！」


頭を抱え込むようにしたらガクンと膝が折れ、両手で頭を押さえると今度はゾクっと寒気がして、ブルブルと体が震えだしたから慌てた。


「寒っ！」


もう単語した出てこない…と思いながら小刻みに体を震わせる。