涙のち、銃声
「車種、ナンバープレートから、
堀部さんの車で間違いありません。」
「凛子ちゃん、
運転席を拡大してくれるかな。」
・・ズームアップされた運転席。
そこには先程の・・フルフェイスのヘルメットを被った人物が映っていた。
「車を運転するのに、ヘルメットを被るなんて聞いたことあるか?」
「ありません。
間違いなく防犯カメラ対策ですね。」
「車を盗んだのはこの人物で間違いありません!!
そして・・村山さんを轢き殺したのも・・!」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・。」
真田さんと目が合う。
この人物が堀部アズサだという可能性は、
彼女の“海外滞在”という崩しようが無いアリバイから皆無。
「・・・協力者か・・。」
「盗まれたんじゃない・・。
アズサはこの人物に車の鍵を預けて“盗ませた”。
そしてこの人物が村山を轢き殺したって所ですかね・・。」
犯人は2人いる・・・。
主犯はアズサ・・・。
そして実行犯がもう1人・・。
「凛子ちゃんお手柄だ。
引き続き車の捜索頼むね。」
「はい!!」
「小西、俺らも負けてらんねぇぞ。」
真田さんの背中を追いかけて、
交通課の作業場を出た。