涙のち、銃声
――――――
「アズサちゃん。
この写真見てください。」
それから数日後、
タク坊が1枚の写真を見せてきた。
村山を轢き殺したあの信号。
そこに、2人の男性が地面に指をさしながら映っている。
「・・・・・・・・・。」
「なんで刑事課の奴らがしゃしゃり出てきたんだよクソッ!」
「・・・タク坊も知ってる人なの?」
「こっちのヨレヨレのスーツに、
寝ぐせ頭のほうが真田。
もう1人が相棒の小西です。」
「そっか・・。タク坊が知ってるぐらい有名な人達なんだ・・。」
「“鉄槌者”、覚えてますか?
何年か前にこの街に突如として現れ、ネットを中心に崇拝されたダークヒーロー。」
「犯罪被害者遺族を救った連続殺人・・。
もしかして・・・?」
「そいつを捕まえたのがこの真田と小西です。」
「・・・・・・・・・・。」
「それだけじゃありません。
ムコウジマで起きた一癖も二癖もある難事件の影には、いつもこいつらがいます。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「アズサちゃん。
特にこの真田にはお気をつけください。
こんなやる気無さそうな格好してますけど、こいつは本物です。」
「・・・お母ちゃんの事件を・・・この人が担当してくれたら良かったのにね・・。」
「え・・・・・・えぇ・・
・・確かにそうですね・・・。」