涙のち、銃声


「ファイルの中にちゃんと当時の捜査担当者の名前もあって・・

俺も小西も驚きましたよ・・・。

現 ムコウジマ警察署長 北大路 ジン。
現 刑事課長 川辺 マサヒロ。」


「・・・・・・。」


「今回の事件、

“単なる轢き逃げ事故”ではなく、
“計画殺人”だと推理しました。


だけどこうなったら、
もうこれは“単なる計画殺人”ではなく、

“13年前の桐谷ヒロコ轢き逃げ事件の復讐”なんじゃないですか?


桐谷ダイチが大石市長と息子のシンヤさんを殺害した・・

“平成最悪”と恐れられた襲撃事件も、この事故が絡んでるんじゃないんですか!?」



「・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「あの時・・・大石シンヤが運転する車に同乗していた村山セイコが・・

奇しくも同じ轢き逃げ事故で死んだ。

捜査をするお前達の口から“堀部アズサ”の名前が出た時・・・全てを確信した・・。」


「たかが政治家ごときの脅しに屈するから、こんな事になるんですよ。」


「・・ああ・・・そうだな・・。

もっと早く、交番勤務してたお前を引っ張ってこれば良かった。

あの事件を・・お前と捜査してれば良かった・・・。」

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