涙のち、銃声
最終話
最終話
********************************************
署長の机の前で、
ポケットに両手突っ込む真田さん。
そこへ銃口を向けて対峙する桐谷アズサ。
彼女の横に位置し、全神経を集中させて、
その一挙手一投足を見つめていた。
いつ発砲してもいいように、
撃鉄を起こした銃を両手で構え、
アズサの横顔を見つめる。
「・・バレちゃったんですか・・?」
「桐谷アズサはムコウジマから埼玉へ。
そして埼玉から再びムコウジマへと移った。
もし協力者“タク坊”が【ずっとアズサの傍についていた】としたら、
彼もまた【同じ軌跡を辿っている】と思った。」
「・・・・・・・。」
「だから小西が“市役所”へ行って、
俺は埼玉の市役所へ行った。
アズサが埼玉へ引っ越した後に、
ムコウジマから埼玉へ出た人物はいないか。
アズサがムコウジマに戻ったと同時に、
埼玉からムコウジマへ出た人物はいないか。
・・・二人で手分けして、
【住民票の履歴】を追ったよ。」