涙のち、銃声
俺達が所属する刑事課は強行係,
盗犯係に分かれていて、
真田さんや俺は強行係の人間だった。
担当するのは主に殺人、
強盗、放火だけど・・・・
川辺課長から話のあった“轢き逃げ事件”
・・つまりは“交通事故”の類いに入るものは“交通課”、“交通機動隊”の専門だった。
「いいですよ川辺さん。
交通機動隊のみんなにはミハルちゃんの事件の時、
防犯カメラ映像の確認を手伝ってもらった“借り”があるので。」
川辺課長の依頼に、真田さんが2つ返事で回答したので俺も頷いた。
「助かる!“これで貸し借り無しだぞ”ってあいつらにも言っておくから。」
「指揮を取ってるのは鬼塚さんですか?」
「その鬼塚ちゃんもインフルになって、
これでほぼ全滅になった。
おかげで新米の女の子が孤軍奮闘してるよ。」
「あ!確か凛子ちゃんでしたっけ?
この前のボーリング大会でみんなから黄色い歓声浴びてた。」
「・・・そんな子いたか?」
『あんたが一番“ヒューヒュー!”言ってたじゃん!!』
とツッコミたい気持ちを抑えて、
真田さんの肩を軽く押す。
「じゃあ頼んだぞ真田、小西。」
束の間の平和が意外な形で終わったな・・。
明日からの流れを確認したところで帰宅の途についた。
第1話 完