涙のち、銃声
――――――
“遅っせぇなあいつ”
“おやっさん、
様子見に行ってきましょうか?”
“おう。そうしてくれや”
“おいタク坊、行くぞ。”
“はい!”
高熱にうなされながらボンヤリと聞こえていた会話。
ゴローちゃんとタク坊の遠くなっていく声。
しばらくして鳴り響いた電話の音。
それを取ったお父ちゃんの、
段々と大きく、そして震えだした声。
いつの間にか私は眠っていた。
夢の中で、
お母ちゃんが食パンを私に出して、
頭を撫でてくれた。