涙のち、銃声
「・・・・・・・・・・・。」
真田さんはポケットに手を突っ込んだまま斜め上を見る。
「あ!」
「おっ!何か閃きました?」
「そういえば、昨日のアプリ。
鈴木財閥のお嬢様も犯人じゃなかった。
マジでサッパリ分からん。」
ズルッと転びそうになるのを我慢して、このヤマが落ち着いたら俺も一緒に考える約束をした。
「だぁーーーーーー!!!!!!」
「「??」」
その時、背後から女性の大声が聞こえた。
真田さんと同時に振り返ると、
今にも転びそうになりながら猛ダッシュでこちらに向かってくる制服警官・・・
「遅いよ凛子ちゃん!」
俺が声を掛けたと同時に、
案の定、思いっきり転んだ。
「あ~あ~。」
「・・・やっぱり可愛いな。」
真田さんがゆっくりと歩き出したので、
俺は小走りでその子の元へと向かう。