涙のち、銃声
――――――
「どうもありがとうございました!」
凛子ちゃんが村山セイコの上司に深々とお辞儀するのを待ってから面会室を出る。
「事件があった日は、
月に一度の営業会議。
普段18~19時頃退社をする被害者が、
唯一23時頃の帰宅になる日・・。」
「・・・・・・・。」
先程の上司の話を反芻しているのか、真田さんはポケットに手を突っ込んだまま無言だった。
「真田さん、
もし推理通り“故意的犯行”だった場合、
だからこの日を選んだのかもしれませんね。」
「平日のその時間帯だったら車通りも人通りも少ない。犯行にはうってつけだな。」
「という事は犯人は被害者の顔見知り・・?もしくは同僚・・。
営業会議の日程を把握していないと実行できませんからね。」