涙のち、銃声
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車に戻った俺達は、コンビニで購入したサンドウィッチを食べながら凛子ちゃんを待つ。
「さてと・・・。」
真田さんがスマホを取り出してどこかに電話を掛け始めた。
「・・・・真田です。
ええ・・すみませんね管轄外の事頼んで。
はい・・・・ええ・・・。
・・分かりました。
ありがとうございます長さん。
はい・・はい失礼します。」
その口振りから、ベテラン鑑識の長野さんが相手だと察する。
「長さんに何か頼んでたんですか?」
「あのお爺ちゃんは俺達より何十年も長くこの街で仕事してる。
今回はその“人脈”を使わせてもらった。」
「と言うと・・?」
「こうしてる間に犯人が“隠蔽”を図ってるかもしれない。
だから街中の修理工や板金屋へ長さんに口聞いて貰って、
それらしい車が持ち込まれたら、
すぐに俺の所へ連絡入るようにした。」
「なるほど・・・。
“凶器”、“物的証拠”に関する事だったら、
あの鑑識お爺ちゃんの右に出る人はいませんからね。」
「とりあえずこれで心置きなく捜査に集中できる。」
「いつもみたいにジワジワと追い詰めてやりますか・・・。」