涙のち、銃声
あの子の体力は凄いな・・と思わせる程、またまた全力疾走で凛子ちゃんが戻ってきた。
息切れしながらも、
その顔には充実感が漂っている。
「いつも制服で仕事してたから・・
さっきみたいに警察手帳見せて、
『ムコウジマ警察署の橘と申します』
ってやるの憧れてたんですよ~!!」
「それで?どうだった?」
「はい!村山セイコですが、
かなり大人しめの性格だったようで、
仕事はきちんとするけど、悪い言い方をすれば“地味”だったそうです。」
「良い言い方をすれば、
“誰からも好かれてる”って事かな?」
「仰る通りです。
みんな、村山さんが亡くなった事にかなりショックを受けていました。」
「“男”はいたか聞けた?」
「それが・・村山さんはあまりプライベートの事を話したがらない節があったようです。
ただ、同僚に話を聞く限りでは恋人はいないと思われます。」