涙のち、銃声
しばらく立ち尽くしてずっとその光景を眺めていた。
ゴローちゃんも、タク坊も。
従業員のみんな、
お父ちゃんと同じ醜い笑顔を浮かべながら、女の人達に鼻の下を伸ばしていた。
「いいかお前ら!!
口うるせぇヒロコもいなくなった事だし、
今日から“女連れ込み”を許可する!!
・・避妊はちゃんとしろよ猿共!!」
「「「「「「うぉぉぉ!!!
ありがとうございます!!」」」」」
耳を塞ぎながら自分の部屋へと駆け込んだ。
この日以来、
“ドンチャン騒ぎ”がウチに復活した。
お父ちゃんもみんなも、何かに取り憑かれたように人が変わってしまった。
興奮混じったタク坊の声。
それを煽るお父ちゃん、
ゴローちゃんの声。
家中に響く女の人達の喘ぎ声。
布団にくるまり、朝になるまでずっと耳を塞ぐ毎日が始まってしまった。