涙のち、銃声
「・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・。」
何を言っているのか信じられなかった。
でも次の言葉で、私は部屋を飛び出した。
「ちょうど良かった。
ミヨちゃんと結婚するのにアズサは邪魔だったんだよ。
今日限りでこいつの親権を放棄する。
養子縁組でも何でもして、
お義母さん、あんたが引き取れ。」
お父ちゃんを悪く言う権利も、
お父ちゃんを憎む権利も私には無かった。
だけど・・心のどこかで・・
“お父ちゃんだけは”と思っていた。
だからお父ちゃんに捨てられた事実を受け入れるのに、
私はそれまで以上の涙を流し、
喉が焼かれる痛さを包むまで叫び続けた。