涙のち、銃声


「・・・だったらお前の命・・
・・俺に預けてくれるか・・?」


「・・・?」


「アズサを・・・
助けてやってほしい・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「・・俺達は・・ヒロコの仇を討った後に死ぬ・・・・。

都合の悪い事実を隠すのが警察連中のやり方だ。

仇討ちの真実は、ヒロコの時と同じように闇へ葬られるだろう。」


「・・・・・・・。」


「お義母さんがいるから大丈夫だとは思う。

でも・・アズサが20歳になるまで、
あの子の事を影から支えてやってくれ。

そして成人を迎えた時、
全てを話してやってくれ・・・。」


「・・・・・・・・。」



「・・・・・・アズサに伝えてくれ。

“お母ちゃんはアズサのせいで死んだんじゃない”

“お母ちゃんは何も怒っていない”


“だから幸せになれ。

お母ちゃんの分も、
お父ちゃんの分も、

幸せになれ”。」


「・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・・・・・。」




「タク坊・・・。」


「・・・はい・・・・。」


「今すぐここから逃げ出して・・
生きて・・・生き抜いて・・・

アズサの為に・・・
その命使ってくれないか・・・・。

・・・・頼む・・・・・。」



「・・スッ・・スッ・・・
・・・アア・・・アアア・・。」


「・・・・・・・。」


「・・・がじごまり・・まじだ・・・。

おやっざん・・おで・・おで・・・

ごの・・いのぢ・・
・・このいのぢ尽きるまで・・

アズサぢゃんのだめに・・・
・・づかいまず・・・・。」














< 72 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop