涙のち、銃声
――――――
「ゴロー・・今朝の話なんだけど・・。」
「くどいですよ、おやっさん。
タク坊と同じ様に“逃げろ”と言うなら、
今すぐここで腹斬って死にます。」
「・・・・・・・・・・。」
「喧嘩と単車しか知らなかった俺に、
仕事を教えてくれたのはおやっさんです。
人を傷つける事しか知らなかった俺に、人として生きる道を教えてくれたのは姉御です。
・・・あなた方に恩義を感じているのは、
俺だけじゃなくて、
ここにいる全員ですよ。」
「・・・分かった・・。もう言わん。」
深夜2時。
一際でかい家に着いた俺達は、
表・裏二手に分かれた。
一番組が屋根を伝い、敷地内に入って厳格な鉄格子を内から開けてくれる。