涙のち、銃声


「おやっさん!」


声を掛けられ振り向くと、

返り血を浴び、
赤黒く染まったゴローが立っていた。


その右手で首根っこを掴んでいた人物を俺の前へ放り投げてくれる。





「・・・ムコウジマ市長、
大石テツヤさんですね?」


「お前ら・・何者だ・・・。」


「・・・桐谷ダイチ・・・。」


「桐谷・・・・・!?
・・・まさか・・!?」


「ご子息が轢き殺した桐谷ヒロコの夫と、
彼女を生前慕ってくれた仲間達です。」


「・・・・・・・・・!!」


「・・・・・大石市長・・・。
地獄でまた会いましょう・・・。」



右手に持っていたナイフを大石市長に突き刺す。


何かブツブツと恨み節を呟いていたが、

右手に生暖かいものが降りかかるほど、
その声はかすれ、やがて消え、

俺へ全体重をもたらせてきた。


その様子を皆が取り囲むように正座し、
涙を流しながら見守ってくれた。














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