涙のち、銃声
「・・・・・・・・・。」
・・まだ確認が終わっただけなので、
真田さんは難しい顔をしている。
「見つからなかったっすね・・・。」
「犯人はムコウジマ市外に住む人間ということでしょうか・・?」
凛子ちゃんも眉を“ハの字”にしながら今後どうしようかと悩んでいる。
「・・・・・・・。」
「真田さん?どうしました?」
「君たち忘れたのか?No.134。」
「あ!・・それが残ってたか・・。」
No.1~No.300まで。
資料の左隅に“×”・・つまり、
“該当しなかった”という印を付けている。
ただ・・No.134だけにはずっと“△”が付いていた。
「朝も、昼も、夜も。平日も土日も。
どの時間帯に行っても、
駐車場に車が停まってない。
一体この車の所有者はどこにいて、
いつ家に帰ってるんだ?」
真田さんに促され、凛子ちゃんと二人で改めてNo.134の資料を見直す。