涙のち、銃声
「・・・という事で、
乗りかかった船なので、もうちょっと調べさせてくれませんかね?」
「分かった。
幸い重大な事件は発生していないから、
引き続き轢き逃げ捜査に当たってくれ。」
川辺課長は2つ返事で了承してくれる。
「それで、車当たり捜査の結果はどうだったんだ?」
「1人グレーな人物を見つけました。
ちょっと洗ってみます。」
「おぉそうか。
そのグレーな人物っていうのは?」
「・・・?」
「名前だよ名前。」
「ああっと。
え~っと・・何だっけ小西。」
相変わらず真田さんは人の名前覚えるの遅いんだよなぁ・・。
「堀部アズサって女性です。
今、凛子ちゃんが連絡取ってくれてます。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・川辺課長?
どうしたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「川辺さん。川辺さん!」
「・・あ・・ああすまん。」
「大丈夫ですか?」
「・・お腹痛くなってきた。
とにかく、引き続きよろしく頼む。」
川辺課長が“トイレ”と言って足早に部屋を出て行った。
「・・・なんか急に様子おかしくなりましたね。」
「便意っていうのは急に押し寄せるからな。」
とにかく、交通課への応援続行許可が降りたので再び凛子ちゃんの元へ戻った。