涙のち、銃声


「真田さん、いつの間に村山が営業担当していた企業を調べてたんですか?」


道すがら、先程の堀部アズサとの電話中に飛び出した新情報を確認する。


「・・・・・・・・。」


「・・・真田さん?」


「小西君よ。」


「はい・・。」


「すまん、あれ大嘘。」


「・・・・は!?」


「そんな所まで調べる余裕あるわけないだろ。

村山が堀部アズサの会社と繋がってるっていうのは、咄嗟に思いついた嘘だよ。

・・・・ちょっとアズサにカマかけてやった。」


「ちょ・・何でそんな事するんですか?」


「言っただろ?

“堀部アズサの車をこの目で確認するまで、グレーはグレーのままだ”って。

『私の車は盗まれたので知りません』だと?

凛子ちゃんみたいな経験浅い、

純粋無垢な子はそのままの通りに受け止めちゃうかもしれないけど、

俺みたいな・・・・。」


「真田さんみたいなひねくれ者は、

そんな“都合の良い話”簡単には受け止めない・・・・ですか?」


「そういう事。」

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