次期院長の強引なとろ甘求婚
「お兄ちゃん、お花の自動販売機ってどう思う?」
「え……? 花の自販機?」
「うん、鷹取の病院に入れるかどうかっていう話があってね。お見舞いの方で使われる方多いのか、実験的に置いてみてもいいかもって」
「え、その話、ちょっと詳しく教えてほしい」
沙帆的には何気なく出した話題だったのに、俺が話に食い付いてきたことがどうやら意外だったらしく、一瞬不思議そうに目を大きくした。
「え、もしかして知らない? 日本じゃまだそんなに見かけないけど、韓国とかだと結構見かけるみたいだよ、お花の自動販売機。私は、関東医科大学の病院で見たことあるんだけど。病院の設置は売れ行きがいいらしくて、契約したいフラワーショップも多いとかって」
沙帆の話によると、いつでも花のギフトが購入できる花の自動販売機があるらしく、それを病院内に設置してみようかということだった。
気になる中身の花の鮮度だが、もちろん契約しているショップが管理していて、交換補充を任せるという。
「いい話聞いた。その話、どうなりそうかまた連絡してくれるか? 俺からもまた連絡する」
タイムリーすぎる話の内容に、つい声が弾む。
沙帆はまた不思議そうな顔をして「わかった」と頷いていた。