次期院長の強引なとろ甘求婚
お店を助けたいなんて言ってくれたことも、私と、お付き合いを……なんて、言ってくれたことも、私にとっては青天の霹靂。
三角先生がそんなことを申し入れてくることが、未だになぜなのかわからないでいる。
三角先生のような、素敵で、こんな大病院の先生が、私みたいな平凡な花屋の娘なんかに……。
その先の言葉に詰まった私を、三角先生はふわりと優しい笑みを浮かべてじっと見つめた。
「今日、お仕事は何時までですか?」
「えっ……仕事は、今日は病院の診察日だったので、午後はもう休んでいいと言われていまして……」
「そうですか。それなら、食事に付き合ってもらえませんか?」
「えっ!」
「未久さんの次の予約の方で今日は終わりなので、少し待っていてもらえたら」
そう言った三角先生は、「ゆっくりお話しましょう」と微笑んだ。
それから、三角先生の仕事が終わるのを病院の下で少しの時間待った。
その間にお店に電話を入れ、少し帰りが遅くなると先に知らせておいた。
電話を受けた母親は案の定大騒ぎで、これは帰ったら尋問になるに違いないとぞっとした。