次期院長の強引なとろ甘求婚
そんな風に言った三角先生の目が真っ直ぐ私を見つめて、鼓動が大きく跳ね上がる。
どこを見たらいいのかわからなくなってしまい、小さく首を横に振って、目の前のお皿の上に視線を落とした。
「さっき診察中に、どうしてこんな話を持ち掛けられたかわからないって言ってたけど、それは、俺が未久さんに好感を持ってるからだよ」
「え……」
「いや……言い方を間違えたかな。好感、はもちろんなんだけど、好意を持っていると言ったら伝わる? お店にだって、最近はずっとあなたの顔を見に行ってたようなもんだった。花を買うのを理由にね」
次々とストレートにぶつけられる言葉に、心臓の音は速まる一方で暴走する。
「いつも明るく声をかけてもらって、いつの間にか惹かれていたんだ。仕事を一生懸命にしている姿にも。だから、今回のことも助けたいと思った。あなたが、あのお店で花に囲まれて仕事をするのを、これからも見ていたいから」
冗談抜きの真剣な表情を保ってそこまでを言った三角先生は、「これで答えになったかな?」と優しく微笑んだ。
こんな風に男性に言われる経験は初めてで、どんな顔をすればいいのかも、どう返事をしたらいいのかも、とにかくわからない。
それでも彼の誠実な態度に対して、恥ずかしがって戸惑ってばかりいてはいけないという気持ちが湧き起こる。
まだ熱い顔を三角先生へと真っ直ぐ向け、高鳴る鼓動を聞きながら口を開いた。
「そんなこと言ったら、私だって……三角先生が、お店に来てくださるの……いつの間にか楽しみにしていて……」