次期院長の強引なとろ甘求婚


 三角先生はなんの疑いもない様子で、そうはっきり断言してくれる。

 そんな風に即答してくれたことが嬉しくて、胸がほわっと温かくなるのを感じながら「ありがとうございます」と口にした。


「生卵の時に、店の外に防犯カメラを付けた方がいいねって、両親と話はしていたんですけど、その前にまたこんなことになってしまって……」


 こんな風に短期間で、しかも悪質さが増していたずらされるなんて、思ってもみなかった。

 卵の時はまだ、いたずら〝かもしれない〟という判断だった。

 もしかしたら、夜間に商店街で遊んだ若者のしわざかもしれない。とか、酔っ払いの悪ふざけかもしれないとか、様々な可能性を考えた。

 たまたまうちの店だっただけ。狙われたわけではないかもしれない、って……。

 だけど、今朝のはもう〝かもしれない〟レベルではない。確定だ。


「とにかく、警察にも届け出たから、いずれやった犯人はわかるはずだよ。それに、防犯カメラの設置は早急にしてもらう手配をしたから」

「えっ……」

「できれば今日中、遅くても明日には設置にきてくれるから安心して。ご両親にも話しておいたから」

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