次期院長の強引なとろ甘求婚
東京から、車で約二時間。順調に八ヶ岳に向かい、途中、高速のサービスエリアで少し早いランチを含めて休憩を取った。
そしてお昼近く、目的地へと車が停車する。
東京から山梨に入っていくと、景色は徐々に都心の喧騒を忘れさせた。
高速道路からの景色もビルや建物はどんどんと少なくなっていき、緑が多く目に優しい景色が広がる。
八ヶ岳に来たのは、中学生の頃の宿泊行事ぶりのことだ。
「ここは……?」
三角先生が車を駐車したのは、森の中に近代的で立派な建物がある、巨大な敷地の駐車場だった。
白と黒のツートーンの建物は、モダンな印象でオシャレな造り。
お店なのかと思える広いエントランスを構えていた。
「うちの持ってる別荘なんだ」
「えっ、別荘?!」
駐車した車から歩き出すと、三角先生から驚くべき言葉が。
別荘を持ってるなんて、やっぱり住む世界が違う……。
「俺はほとんど来たこともないんだけどね。母親が年に何回か来てて。で、この奥に……」
三角先生の後についていくと、建物の向こう側に目を見張る光景が広がった。