次期院長の強引なとろ甘求婚
飽きるほど庭園を見せてもらったあとは、三角家の所有する別荘でお邪魔させてもらった。
年に数回、三角先生のお母様が訪れるというそこは、ハウスキーパーが定期的に訪れ、いつでも利用できるように管理が徹底されていた。
庭園が見渡せる造りになっている広いリビングは、外観と同じくモノトーンの落ち着いた内装とインテリアで統一されている。
三角先生が淹れてくれた美味しいアールグレイティーをいただきながら、ガラス窓の先に見える花園を眺める優雅な時間が流れていた。
さっきのキスで心臓はしばらく忙しなく動いていたけれど、やっと元通りに落ち着きを取り戻している。
「あの……三角先生のおうちって、みなさんお医者様なんですか?」
立派な別荘内をぐるりと見回して、疑問に思っていたことを口にしてみる。
病院の名が〝三角記念病院〟ということから、三角先生の近しい親族がお医者様に違いない。
「ああ、父と母は医師だよ。妹はその道に進まなかったから、全然違う仕事をしてる」
「そうなんですか。ご両親が……」
「何代か前が今の病院をつくって、それから、代々ね。今は父親も経営の方にほとんど回ってるから、事実上、俺が病院長の肩書きではあるんだ」