次期院長の強引なとろ甘求婚
「そうだ……おいで」
腕に彼女を抱いたまま、部屋の奥へと連れていく。
「わっ……可愛い……!」
現れたキングサイズのベッドを見た瞬間、未久は想像通りパッと鮮やかな表情を見せてくれる。
ベッドメイキングされた皺ひとつないクリーム色のシーツの上には、深紅のバラの花びらが大きくハートを描いていた。
「こういうの、好きかなと思って」
この間、一緒にバラを見に行った日、彼女の笑顔をたくさん独り占めすることができた。
自分しか見られない未久のいろんな表情をもっと知りたい。
そんな貪欲な部分が働いて、特別にオーダーしたのだ。
「こういうの、テレビとかネットでしか見たことなかったから……私のために、お願いしてくれたんですよね?」
「もちろん」
「嬉しい……」
はにかんで呟いた姿が可愛くて、触れるだけのキスを落とす。
柔らかい唇に感情が抑えきれなくなって、すぐに離した唇を再び塞いでしまった。
「……っ、ん」
触れては離してを繰り返し、彼女の唇を堪能する。
深く重なり合う口付けに甘い吐息を漏らした未久は、無意識なのかスーツの胸元をぎゅっと握りしめていた。