次期院長の強引なとろ甘求婚


「これは……?」

「バラ風呂。入ったことある?」

「なっ……な、ないです!」


 うちは取り扱っていないけれど、こういうバラ風呂用のギフトは出回っている。

 でも、かなり高級品なはずだ。

 こんな素敵なものまで用意してくれてたなんて……。


「そうなんだ、意外な返事。じゃあ、入ってみる?」

「はい!……って、え、あのっ」


 まっ、まさかそれは……一緒に入る、ってこと?!

 想像しただけで有り得ない恥ずかしさに見舞われ、無条件に赤面してしまう。

 ベッドに座り込んだまま熱い顔を俯けると、ベッドの隅に箱が置かれるのが目の端に映った。


「でも、それはあとのお楽しみにして……」


 その箱の横に、今度は樹さんのスーツのジャケットが置かれる。

 スプリングが揺れて不意に顔を上げると、迫った樹さんに再びベッドへと倒され唇を奪われていた。

 今度は初めから深く口付けて、すぐに口腔内へと侵入される。

 またキスだけで息が上がると、樹さんの甘い唇は耳や首筋をなぞっていった。

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