初めて恋した旦那様。
なんでこの言葉だけ覚えているのか
わからない。
でも唯一の母との思い出のようなものだから
ずっと忘れられない。
「みちおばちゃん。そういえばもうすぐお米がなくなるでしょ?隣村まで買いに行ってくるね。」
「そうなのよ〜。昨日行こうと思ったんだけどなんせ歩いて2時間もかかるからね〜。」
「今日は天気もいいし、私が行くわ。」
わたしを育ててくれたみちおばちゃんは
最近歳のせいか足が悪くなってしまった。
お米だけはこの村では作ることができないので
隣村まで買いに行かないといけない。
朝ごはんを食べてからわたしは歩いて隣村まで向かった。
「あら聖羅ちゃん。朝からどこ行くの〜?」
「おはようございます。隣村までお米を買いに行くんです。」
近所の人たちとは家族みたいな感じで仲がいい。
みんな優しくて、わたしはこの村の人たちが大好きだ。
歩き続けて1時間ほどたった。
少し疲れたから大きな岩に座って水を飲んだ。