月と太陽
私のテンションは急上昇。
長くて急な坂をブレーキもかけずに勢いよく下る。
そしたら、
「うわぁっ!!!」
「え?」
......角から出てきた人と衝突。
でもなんか、痛くない...?
「へ、わぁっ!」
うっすら目を開けると、そこにはビッグなお顔が...。
その人は私の腰に腕回していて、しっかり抱いている。
助けて、くれた?
「ふぅ、あーいってぇ。」
ムクリと起き上がって、そう言う彼。
耳に青色と黄色のピアスをつけてて、それがよく映える漆黒の髪。無駄に整った顔と鋭い雰囲気。
明らかにソッチの人だった。
朝からやばいかも知れない。家に帰れるだろうか。
私は急いで彼の上からどく。
「あの、ほんとすみません。」
「あ?いいよ別に。つか、あんたは?」
「え?」
「怪我、ねぇの?」
彼は私をしっかり見つめてそう言った。
見た目とは違いすぎるその態度に驚いた。
そして何より、
「おーい?「目、綺麗。」
「....は?」
....
長い沈黙。
彼はポカンと口を開けてマヌケな顔をしてる。
言わずにはいられなかった。
だって
青かったから。