月と太陽
~陸side~
えぇ、マジで。
言おうとした、言おうとしたよね?!
なんなんだよ、変な女。
忘れるって勝手に決めんなっての。
あー、制服汚ねぇ。また姉貴に怒られる....。
俺は立ち上がり自転車を起こす。
乗ろうとした、
なのに、
「ペダル、どこいった?!」
ぶっ壊れてやがった。
ついでに、なぜかレールも外れてる。
「あーー!!!くそがっ!ふざけんなよっ!!!遅刻じゃねぇか!!!なんであいつの自転車は無事だったんだよっ!なんで俺のだけこんな大破してんだ!!ああっ?!」
俺が1人で騒いでるのをランドセルしょったクソガキがじろじろ見てるから、最後ガン飛ばしてやったら泣いてどっかに行った。
あー、萎えた。いーや、今日サボろ。
でも、あの女確か同じ学校の制服来てたよな?
よし。
プルルルルル.....プルルルルル
『.........あ?』
ふつー、電話に出て“あ?”はねぇだろ。
「おい起きろ、奏汰(Kanata)。」
「....ぅるさい。俺、今寝てたんだけど。」
「お前、今どこ。」
「家だよ。当たり前でしょ?」
「今から繁華街来い。」
「はぁ?やだね。俺昨日ヤりすぎて.....ゴホン遊びすぎて疲れてんの。」
......
誤魔化せてねぇよ、バ奏汰。